その結果、2年間で認証件数が3,000件を突破し、同じ2年間のISO 9001 and ISO 14001認証件数を上回っています。しかしながら、認証件数その54%の占有率を誇るドイツにかなり頼っている現状から、ドイツを抜きにすると、ISO 50001 の認知度は必ずしも楽観すべきではないのも実態です。現状の構図は、ドイツが単独首位の位置を確保するだでなく、リードの幅をぐんぐん伸ばし、堅実な英国が2位、真剣な3位グループ(スウェーデン、スペイン、イタリア)、健闘する4位グループ(インド、アイルランド、韓国、台湾、オーストリア)となります。(エクセル版のオリジナルデータをご希望の方はこちらから)
3月末のデータを比較すると、2か月間でドイツは何とサイト516件増、新規認証企業369件増の勢いです。英国は新規認証企業が9件と少ない中で認証サイト件数177件増と貢献しています。ドイツと英国以外では、この2か月間、スペイン、イタリアおよびアイルランドが大きな伸びを示しています。3年目の動向が気になります。
認証サイト件数3,000件超は、ドイツの ISO 50001 への取組みに起因することは否定できません。ドイツのパフォーマンスを抜きにすると、日本を含めて、多くの省エネ大国は、継続的パフォーマンス改善の観点から、現状を見直す必要があります。原点に戻り、エネルギーの重要性をもう一度見つめエネルギーマネジメントの本質が何であるかを考え直す時にあります。1年前、ISO 事務総長 Rob Steele 氏のアイルランドで開催された「ISO 50001 発展に相応しい環境づくり」(SEAI 主催 2012年5月4日)でのスピーチを紹介しました。この名スピーチ(15分スピーチを視聴ご希望の方はこちらから)は、ISO 50001 専門家ではいつも話題になっており、「原点とは何か?」について大変参考になります。スピーチは簡潔明瞭にISO 50001の優秀性(企業の事業を伸ばすシステム)を説き、謙虚な姿勢がいかに重要であるかを述べ、ISO 50001 をグローバルに広めるには、企業のトップの認識とリーダシップ抜きには語れないと警告しています。
ISO 50001 発行時に運営を開始した EnMS-Doc も2歳の誕生日を祝っています。引き続き 「ISO 50001 適合 EnMS 運用の促進」というミッションに決意を新たにしたところです。
今後12ヶ月の活動の焦点を以下に位置づけました:
- 21世紀成長の中心となるアフリカ諸国に注視し、成長とサスティナビリティ両立へエネルギーマネジメントがどう貢献するかを探る。
- ISO 14001 および ISO 9001認証件数がダントツでありながら、ISO 50001認証件数が低いレベルにある中国と日本の真の実態を追求する。
- EnMS 先進国と評するオーストラリアおよびニュージーランドのオセアニア諸国からのISO 50001認証皆無の七不思議の一つを解明する。
- 東南アジア(シンガポール、マレーシアなど)におけるISO 50001適合 EnMS 運用支援の継続
- 米国 SEP プログラムによるエネルギー削減定量化評価の規格化とISO 50001のブレンドについての内容習得の継続
サイベックコーポレーションは、超精密部品の金型開発及びプレス加工による高性能、高品質、低価格な自動車用機能部品・自動車用超精密部品・環境部品・医療部品などをカストマイズ製造販売を事業とする日本が誇る最先端技術メーカです。(サイベックコーポレーションのサイトはこちらから)
サイベックコーポレーションのコア技術は、超精密冷間鍛造順送プレス工法(CFP=Cold Forging Progressive 工法と呼ばれる精密板鍛造技術)で、従来のプレス加工で不可能とされていた厚板高精度金属部品のプレス化を実現しています。代表取締役社長・平林 巧造氏は、「私共はこの世に無いものをさらに生み出す“もの創り”に挑戦致します。お客様に喜んでいただける低コスト化技術の提案、高品質プレス加工による信頼、開発スピードに貢献する対応力といった『信(信頼)・技(技術)・対(対応)』のトータルサポートができるサイベックの“もの創り”で多くの笑顔を作りあげたいと思っております。」と語っておられます。
ISO 50001 エネルギーマネジメントシステムの導入による継続的パフォーマンス改善を事業に取り込み、社員の知恵と技能を最大に生かした技術(高機能・高品質・低コスト)をもって多くのお客様のニーズを満たし地域およびグローバル社会に貢献するという正にサスティナビリティ(持続可能な)事業展開のお手本となる企業であることは間違いありません。
以下がサイベックコーポレーションのISO 50001 認証取得の案内状です。一ページの中に ISO 50001 適合型 EnMS 運用を通じて、サスティナビリティ(持続可能な)事業展開に向けて、社員全員が一丸となった力強い意気込みが伝わるすばらしい内容になっています。
コンペは、日常のエネルギーマネジメント運用においてたくさんの課題を抱える架空の会社 Wesh Pharmaceutical(ウェッシ製薬社)へどなたが最適なエネルギーマネジメントの立案できるかを競うものです。
参加手順は簡単です:
- 架空会社 ウェッシ製薬のエネルギーマネジメント事例についてコピーをダウンロードします。
- 次のことに注意しながら事例を読解して下さい:組織が直面するハード面ソフト面の課題は何か? 法令や規制に適合する上で、会社にどのようなオプションが残されているか?エネルギー消費削減へ何か見逃している点はないか?
- ウェッシ製薬社を救済するあなたのエネルギーマネジメント戦略を英文500単語以内で立案し、E-メールにて 2degrees 社 Stephen Kennett (stephenkennett@2degreesnetwork.com)宛 送付下さい。
「ウェッシ製薬社」架空事例は、昨年末に出版されたキット・オング著書「Energy Management in Business」出版社
Gower(ISBN 978-1-4094-5245-4 (ハードバック版) ISBN 978-1-4094-5246-1 (電子書籍版))から抜粋されたものです。EnMS-Doc 山之内は、本書を EnMS 運用の参考書として、日常の宝にしています。キット・オング氏(英国BSI社およびProjective Ltdの所属するエネルギーマネジメント専門家)のEnMSにおける深い知識に敬意を表するだけでなく、氏の簡潔明瞭で優れたコミュニケーション力により彼のアイディアが理解でき応用できるところを評価しています。
本コンペの勝者は、その著書ハードバック版または電子書籍版を受け取ることができます。
従って、要求項目はプラス志向の実用性に富んだ内容になっており、要求項目を反映すれば、確実にサスティナビリティ事業展開を優位に進められることを経営者は認識するはずです。その要求項目を事業運用上有利に展開することを確実にし、確立した体制と運用レベルを確実に維持するには、最低の文書化が必要となります。ISO 50001 の要求項目ごとに中身を吟味すると必ず項目毎に関連する文書の必要性が存在することがわかります。その一覧表「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」を作成しました。 ご興味がある方はぜひダウンロードして見て下さい。
「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」一覧表
ダウンロード
一覧表の内容をまとめると、ISO 50001適合するために12の主要管理文書が重要であることが一目瞭然となります。
EnMS-Doc が「M333J セットメニュー #101,『全12主要管理文書』」を提供している背景はそこにあります。
ISO 50001 の最も優れている点は、必要な管理文書を構築すると EnMS 運用に関わる既存ドキュメント類、手順書、日誌、データ類や省エネ法関連文書などが ISO 50001 適合ドキュメントに格上げされるところにあります。
- EnMS 管理ドキュメント「ガイドブック + テンプレート = インワン」シリーズ」...EnMS 主要12管理ドキュメントセット紹介リーフレット
- EnMS 監査ガイドライン」...EnMS 監査ガイドラン紹介リーフレット
- EnMS 監査スコアカードスコアカードサンプルシートを見る...
- 組織の要求項目に沿った、EnMS 関連ドキュメントの企画、作成
- 組織が ISO 50001 「自己宣言」できる EnMS 運用体制を1か月で構築する支援業務...コンサルティング業務紹介リーフレット
- EnMS 運用管理に関わるコンサルティング業務
- EnMS モニタリング活動に関するコンサルティング業務
- EnMS 監査に関するコンサルティング業務
- 国際会議やセミナーなど、EnMS 関連イベントコーディネーション
- 「米国新規事業開拓ツアー」など、EnMS 関連 グローバル規模事業開拓ツアーコーディネーション
- EnMS 関連翻訳業務 (英語⇔日本語)
- グローバル間、EnMS 関連製品およびサービスの紹介
- EnMS 関連事業グローバル組織間連携業務
- EnMS 関連グローバル事業営業業務
「ドキュメントメニュー」ページへ
ドイツ連邦環境局(German Federal Environment Agency)が発行しているリストで、こちらを訪問していただくと、そのリストファイル(pdf)がダウンロードできます。
このファイルは定期的に更新されており、最新版は、2013年3月のもので、ISO 50001 認証状況を最もタイムリーに開示している資料と考えています。EnMS-Doc では、1月バージョンと最新の3月バージョンをエクセルに変換し、データの並べ替えをした独自の解析をして見ました。(エクセル版をご希望の方はこちらから)