ドイツ連邦環境局(German Federal Environment Agency)が発行しているリストで、こちらを訪問していただくと、そのリストファイル(pdf)がダウンロードできます。
このファイルは定期的に更新されており、最新版は、2013年3月のもので、ISO 50001 認証状況を最もタイムリーに開示している資料と考えています。EnMS-Doc では、1月バージョンと最新の3月バージョンをエクセルに変換し、データの並べ替えをした独自の解析をして見ました。(エクセル版をご希望の方はこちらから)
リストを見つめると、かなり刺激的な内容が見えてきます。まず ISO 50001 国際規格が発行されて2年弱にも関わらず、企業の業種がかなり広範囲にわたり、また大企業だけでなく、中小企業も率先して認証取得に動いていることがわかります。3月時点の登録認証企業数 1,247件(1月時点 1,041 件)および認証サイト数 2,016件(1月時点 1,475 件)と2ヶ月でかなり伸びています。しかし、これはドイツがダントツな動きにあることに起因しており(ドイツは認証企業数で50%を占め、認証サイト数で55%を占めている)、その他の国を見た時、ISO 50001 の認知度は楽観できるものではないと考えています。
ドイツがなぜダントツなのかは、詳細には把握できていませんが、EnMS 運用によるグローバルにおける優位性について政府および企業が一丸となって動いていること、国内のエネルギーコストが世界でも有数に高いこと、再生エネルギー社会を展開するにはエネルギー管理コンセプトが産業から家庭まで欠かせないこと、そして認証機関がかなり柔軟的に対応していることがうかがえます。 「ドイツでの ISO 50001 の動きはまだまだ鈍い」というドイツ仲間のコメントには頼もしさを感じます。
日本は10位ですが、米国の15位まで横並びの状態です。日本がかろうじてベストテンに入ったのは、認証で先を行くトップ3社がこの2ヶ月の間に認証サイト数を増やしたことが貢献しています(スバルテクニカインターナショナル株式会社 1サイト⇒6サイト、大日本スクリーン製造株式会社 1サイト⇒6サイト、株式会社山崎砂利商店 1サイト⇒3サイト)。 総合的には認証会社件数は18件に留まっています。
しかしながら、18件の認証取得会社に接すると、製造業5社(半導体・FPD 機器事業、インフラシステム設計製造業、鋳物製造業、空調・給排水設備設計・施工業、装置設計製作業)に対して、ビル管理業関連会社6社が認証取得していることに興味を持ちます。事業の中で、ビルマネジメントシステム(BEMS)に対応する機会が増える中、自社でまず EnMS運用を浸透させ、顧客対応へ生かせようとするその意気込みに敬意を表します。
その他の業種では、エネルギー供給業(2社)、土木・産廃処理業、企画販売業、一般クリーニング業と、かなりバラエティに富んでおり、中小企業の躍進に期待を持たせる内容であると考えます。
なお、18社の内、10社のISO 50001認証取得事例が
資源エネルギー庁サイトで紹介されています。認証をお考えの組織には大変参考になる内容なので、一読されることをおすすめします。 事例を読むと、10社共通してトップの関わりの重要性、社員の積極性が伝わり、エネルギー使用効率向上実現によるメリットの体験を通じて、会社事業優位性を目指していることわかります。本リストにより、海外から注目するグローバルの視線も一つの大きなメリットであることは言うまでもありません。
また、リストから、トヨタ、日産、旭化成、東レ、トッパン、、富士ゼロックス、横浜タイヤ、ブリヂストン社などの日本大手会社は、国内ではなく海外の事業所が認証を取得していることがわかります。ISO 50001 の「調達」の要件を考えた場合、国内本社がどのように対応しているかに興味がひかれます。
EnMS-Docは、今後適宜、リストのアップデートをしながら、皆さまと情報交換をしたいと思っています。
ISO 50001 エネルギーマネジメントシステム(EnMS)国際規格の一つの大きな優位性は、「エネルギー製品、装置、サービス及びエネルギーの調達(procurement)」(ISO 50001 要件4.5.7.項)に言及しているところです。
他のマネジメントシステムと比較してこのユニーク性は次の二つのプラスの側面を狙っていることが明らかです。
- EnMS 調達のサプライチェーン効果
- EnMS 調達の衛星(展開)効果
その他のマネジメントシステムは、「purchasing(購買)」という用語を使用し、購買活動がマネジメントシステムの要件に沿った製品などやサービスの取得プロセスに言及しています。それに対して ISO 50001 の調達(procurement)は、調達元の「継続的エネルギーパフォーマンス改善」という明確な目的に向けて、ライフサイクルにわたり EnMS運用を支える製品などやサービスを取得するプロセスをいいます。
組織がEnMS運用による効果的な調達戦略を実行すれば、サプライヤーと受益者が展開する多様化された調達ネットワークを利用することができ、サプライチェーンにおよぶ事業を優位に展開できることをエネルギーユーザは認識する必要があります。
この優位性こそが、サスティナビリティ事業を展開する企業がいう『グローバルにおける「競争上の優位性」』であることは言うまでもありません。
ISO 50001 適合型EnMS運用することにより、さまざまな事業機会に直面することを組織が認識した時、「継続的エネルギーパフォーマンス改善」活動はもはや自己完結型ではなく、最適ソリューションを得るには、関連企業や関係者との賢いチームワークを必要とすることに気が付くはずです。
これが「EnMS調達」をガイドラインに入れた ISO 50001 のすばらしさです。 ISO 50001 はグローバル・スケールの「パートナーシップによるEnMS社会」の広がりを促進します。「パートナーシップによるEnMS社会」とはエネルギーパフォーマンスに厳しい企業が市場において確固たる地位を築き、厳しさに欠ける企業が競争力を失い市場から退場していく社会をいいます。
ISO 50001が誘導するサスティナビリティ事業展開において、企業はもはや社内の EnMS運用を考慮するだけでなく、顧客、サプライヤーや同業他社によるISO 50001 への考え方に配慮する事業環境に入っています。多くの国がグローバルにおける共存を自国の繁栄の柱にしている中、多様化するサスティナビリティ事業はもはや自己完結型ではなく、顧客やサプライヤーを含めた多くの企業との連携をとる事業環境になっています。「今のところ ISO 50001 はまだいい」や「ISO 14001を取得しているから ISO 50001はカバーされているからいい」と言う前に、ISO 50001に適合するEnMS運用を促進することにより、どうお客さま、サプライチェーンを通したエンドユーザに貢献すべきかを考える時が来ているのではないでしょうか?
『グローバル競争力を強化する ISO 50001 活用「EnMS 調達」解説』 無料ダウンロード
従って、要求項目はプラス志向の実用性に富んだ内容になっており、要求項目を反映すれば、確実にサスティナビリティ事業展開を優位に進められることを経営者は認識するはずです。その要求項目を事業運用上有利に展開することを確実にし、確立した体制と運用レベルを確実に維持するには、最低の文書化が必要となります。ISO 50001 の要求項目ごとに中身を吟味すると必ず項目毎に関連する文書の必要性が存在することがわかります。その一覧表「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」を作成しました。 ご興味がある方はぜひダウンロードして見て下さい。
「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」一覧表
ダウンロード
一覧表の内容をまとめると、ISO 50001適合するために12の主要管理文書が重要であることが一目瞭然となります。
EnMS-Doc が「M333J セットメニュー #101,『全12主要管理文書』」を提供している背景はそこにあります。
ISO 50001 の最も優れている点は、必要な管理文書を構築すると EnMS 運用に関わる既存ドキュメント類、手順書、日誌、データ類や省エネ法関連文書などが ISO 50001 適合ドキュメントに格上げされるところにあります。
- EnMS 管理ドキュメント「ガイドブック + テンプレート = インワン」シリーズ」...EnMS 主要12管理ドキュメントセット紹介リーフレット
- EnMS 監査ガイドライン」...EnMS 監査ガイドラン紹介リーフレット
- EnMS 監査スコアカードスコアカードサンプルシートを見る...
- 組織の要求項目に沿った、EnMS 関連ドキュメントの企画、作成
- 組織が ISO 50001 「自己宣言」できる EnMS 運用体制を1か月で構築する支援業務...コンサルティング業務紹介リーフレット
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