日本にとって、2011年は試練の年となりました。
改めて、東日本大震災で被災された方々に、謹んでお見舞い申し上げます。被災地の一刻も早い復興を心からお祈り申し上げます。
その試練の年に、世界が期待していた「エネルギーマネジメントシステム」国際規格 ISO 50001が誕生したのは何かの縁かもしれません。それは、東日本大震災による困難を背負った中で、日本は「エネルギーマネジメント」能力を思う存分発揮したからです。
2011年の電力供給不足対策、特に夏季夏季に向けて、経産省資源エネルギー庁は日本全国のエネルギー管理統括者として節電対策のお願い(エネルギーマネジメントの強化)および節電運用へのコミュニケーションの徹底を図りました。その結果、日本全国(大口・小口事業者および家庭)参画者のエネルギーマネジメント力により、多大な省エネルギーを得ることができ、経産省資源エネルギー庁は2011年度15%を超える省エネルギー効果を推定しています。これは実に2020年度目標を1年で達成したことになります。日本が国として、ISO 50001認証を受けるべき出来事だと考えます。
皆さまにとって、有意義な年末であるとともに、希望に満ちた新年を迎えられますよう、心からお祈り申し上げます。
日頃より、本ホームページを応援いただき、本当にありがとうございます。
EnMS-Doc アソシエーツ
山之内 登
(1) エネルギーマネジメントは、第一目的であるエネルギーパフォーマンスの改善が継続的に実施され、持続的事業運用のマネジメント
システムが生きていれば、必然的にISO 50001に適合していることになり、基本的に ISO 50001 の自己認証を宣言する仕組みを
提供しているからです。
(2) 国際規格であるがゆえ、グローバルに所在(日本国内も含めて)する事業所のエネルギー・パフォーマンスの改善を共通の尺度に
おいて定量化評価(見える化)できるからです。
(3) ISO 50001適合EnMS運用を確実にする「管理標準」を含めた主要管理文書の作成はエネルギー管理統括者、エネルギー管理企画
推進者、およびエネルギー管理者が担うからです。
ISO 50001は認証にこだわっていません。
ISO 50001は「エネルギー・パフォーマンスの改善」にこだわっています。
つまり、形式ではなく、実をとることを強く推奨しています。
「実」とは何でしょうか?
それは、エネルギー・パフォーマンス改善により、事業の価値を上げ、事業の持続性を確実にすることです。
それでは、ISO 50001 は何を求めているのでしょうか?
何も求めていません。それぞれの組織が担う事業運用に沿ってエネルギーマネジメントシステム(以降、「EnMS」)を確立し、文書化し、実施し、エネルギー・パフォーマンス改善の目的・目標を達成することにより、組織が使命とする「持続的視野にたった事業展開」を促進することが、ISO 50001の狙いであり、願いでもあります。
エネルギーマネジメント(管理)はいつも国際規格 ISO 14001 環境管理システムの一環として取り扱われてきました。ただし、担当者がエネルギー管理に積極的で、その内容を環境管理システムの一章に費やす勇気をもった場合に限られてきました。
エネルギー管理は、優れたエネルギー・パフォーマンスのため、よりよいエネルギー効率そしてかなりのコスト削減のために運用するいいことずくめの管理システムです。おもしろいもので、規格適合に動く時、人間はとかく不適合をどうやって避けるかに力を入れ、有益な側面を後回しにするケースが多いのです。
従って、エネルギーマネジメントシステムに特化した国際規格ISO 50001 が誕生したのも自然の成り行きかもしれません。ISO 50001は、我々が生まれ持っている「改善する動機」と「能力」が事業運用に発揮されるようエネルギーに関する運用を通して促進剤の役割を担います。
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