シンガポール新省エネルギー法とISO 50001適合型 EnMS ワークショップの協演

EnMS-Doc アソシエーツは、シンガポールのパートナー・Antris Management Solutions社と協力し、シンガポール「ISO 50001に適合する 3日間 EnMS ワークショップ」(4月23日~25日 ChartNexus #34-08, International Plaza Singapor)を開催しました。ワークショップは、シンガポールの産業界がパフォーマンス改善によるサスティナビリティ事業展開を進める中で、新省エネルギー法とISO 50001 エネルギーマネジメントシステム(EnMS)国際規格のブレンドがいかに強力な助っ人であるかを説き、内外から大きな反響を得ることができました。

「好タイミング」

エネルギーマネジメントに焦点を合わせた今回のワークショップは、開催日前日4月22日にシンガポール新エネルギー法が正式施行日という絶妙なタイミングの中で開催されました。また、シンガポール国家環境庁 (NEA)エネルギー効率化/環境部 ウィンストン・タン副部長がワークショップに参加され、新省エネルギー法の狙いと関連プログラムについて講演いただきました。
講演プレゼンテーションのダウンロード(pdf)

講演の中で、ウィンストン・タン副部長は新省エネルギー法施行の最大目的は事業者のエネルギー効率改善を後押しし、グローバルにおける事業競争力を強化することを強調しました。シンガポールは2005年をベースラインとし、2030年までにエネルギー効率を35%改善することを目標にしています。その目標を達成するにあたり、ウィンストン・タン副部長は NEA の立場として、ISO 50001 国際規格が新省エネルギー法の効果的な施行へ重要な役割を担うにあたり、全面的に「新省エネルギー法とISO 50001のブレンド」を促進することを解説されました。

ウィンストン・タン副部長の講演はワークショップの参加者へ大きな反響と共感を呼んだことは間違いありません。

  • ISO 50001 適合型 EnMS 運用を学ぶ中、新省エネルギー法が紹介されたこと。
  • 新省エネルギー法がエネルギーマネジメント運用に力を入れていること。
  • 新省エネルギー法とISO 50001が相互補完的にシンガポールのエネルギーパフォーマンス改善を促進すること。
  • 新省エネルギー法が規定するシンガポール公認エネルギー管理者任命(SCEM)と ISO 50001 が規定するトップマネジメントを代表する EnMS 運用責任者任命、両者の役割と責任について、ワークショップ開催3日間常に議論のテーマにあったこと。
  • 新省エネルギー法に関連し、さまざまな補助金・促進プログラムが用意されていること。

ウィンストン・タン副部長講演内容は3日間のワークショップの中で随所引用され、氏の簡潔明瞭な講演は、その内容を十分理解することができたと多くのワークショップ参加者より賛辞が寄せられました。ワークショップでは、シンガポール公益事業庁(PUB)から参加者4名あり、いずれもPUB が誇る四大水再生プラントからの代表者であり、省エネルギー法対象事業者としてとして特に法令の内容に真剣であったことは言うまでもありません。
NEA は、ワークショップの内容について事前に関心を示し、NEA エネルギー効率化/環境部より一名ワークショップに参加いただきました(Milton Neo氏)。他の参加者の省エネルギー法への意見およびエネルギーマネジメント運用の実施内容、さらにISO 50001適合型 EnMS 運用の実用性の効果など多くを Milton Neo氏より評価いただけたと思っています。Milton Neo氏の積極参加は他の参加者の EnMS への動機づけに効果があったと同時に、ワークショップの活発化にも大きな効果がありました。
ワークショップにより、エネルギーマネジメント主要要因解説され、省エネルギー法による要件とISO 50001 適合型 EnMS 運用要因が相互にエネルギーパフォーマンス改善強化へつながることが参加者により十分理解されたことをワークショップ終了後、NEA に対して報告するに至りました。その結果、今後の SCEM 教育プログラムの中に本ワークショップ内容導入を検討する意向が NEA より報告がありました。

実用性の発揮

ワークショップ参加者は、参加したことにより、ノウハウだけでなく実際のワークショップ体験から培った実用面に効果を見出しており、組織に戻ってからISO 50001 適合型 EnMS 運用を指導する責任を自覚するに至ったと評価しています。以下の項が、 ISO 50001 規格面に限らず、ワークショップによりパフォーマンス改善への実用面について参考になったと参加者から上がったポイントです。

  1. EnMS 運用において、トップマネジメント指導性の重要性認識。
  2. トップマネジメント任命のエネルギー管理責任者と省エネルギー法が任命を規定する公認エネルギー管理者の役割と責任に明確な違いがあり、双方の役割をEnMS 運用に適用することの重要性が認識された。
  3. EnMS 運用するにあたり、ISO 50001 適合型文書化の重要性認識。
  4. エネルギーレビューにおいて、省エネルギー機会には技術面による機会と運用面による機会双方が実在することの認識。
  5. エネルギーパフォーマンス指標(EnPI)は「原単位」指標では用がなさず、ベースライン/目標設定および省エネルギー効果評価をするにあたり "y=ax + b" というEnPIが紹介され、その内容が理解・評価された。
  6. EnMS 運用には、エネルギーモニタリングが必要不可欠であることが認識された。しかし、最初から完璧を狙うことは初期投資コストをいたずらに上げ、さらにはデータ氾濫のリスクがあることも認識された。
  7. 会社の価値、ランキングを上げるには、EnMS 運用についての内部コミュニケーション強化だけでなく外部コミュニケーションも重要であることが認識された。
  8. EnMS 運用関連教育プログラムは、会社の人員育成プログラムと直結することが効果的であることが認識された。
  9. ISO 50001 の一つの強みは「購買」についてのガイドラインにあり、「ライフサイクルとサプライチェーン」というEnMS 運用のスコープを見直し、新たな事業展開を促進することが認識された。
  10. エネルギー効率改善は、エネルギー需要側が主役になることが肝要であり、従ってプロセス手順や設計面によるパフォーマンス改善が重要であることが認識された。
  11. ISO 50001 適合型 EnMS 運用が導入されれば、自動的に法令やその他の規定に適合するはずであることが認識された。
  12. EnMS 監査がワークショップで体験され、監査スコアカードが利用された。監査スコアカードは、審査の公平性と透明性を確保するに非常に有効な存在であることが認識された。
  13. ISO 50001 は認証が要求されているのではなく、エネルギーモニタリング手順を含めたEnMS 運用による改善志向の手順を以て「継続的エネルギーパフォーマンス改善」を要求されていることが認識された。

wiki50001 オンライン EnMS オペレーション/文書化システムの利用

ワークショップを通して、英国TEAM社の提供による「wiki50001 オンライン EnMS オペレーション/文書化システム」環境下でセッションが進行された。
「wiki50001」の強力な機能が立証された例としてEnMS 監査体験を実施した時に見られた。「wiki50001」が被監査人の強力な助っ人であることが立証されたからだ。「wiki50001」には EnMS-Doc の文書がインストールがされているだけでなく、ISO 50001要件がテーマページ毎にリンクが貼られ、審査内容に従って、タイムリーに回答ができ、そしてエビデンスがパソコンの画面上で提示できる内容になっている。その結果、監査活動を通してかなり高得点の審査結果が得られることが立証された。
MediaWiki フレームワークによる経済的なオンライン EnMS オペレーション/文書化システムは、ワークショップにおいて参加者にシステムの操作やシステムによるISO 50001 適合型 EnMS 運用実施してもらうことにより、組織に合った簡潔かつ効果的なEnMS 運用の実施を可能にする以下の優れた機能を保有していることが体験された:

  1. システムを実演するだけで、ISO 50001 適合型 EnMS 運用を習得するトレーニングツールとして利用できる。
  2. システムを実演するだけで、ISO 50001 適合型 EnMS 運用を習得するトレーニングツールとして利用できる。 2. 効果的な文書管理、保管システムとして利用でき、必要な情報をすばやくリンクや検索取得、文書承認や監査証跡機能を含め、EnMS 運用をペーパレス環境で実施することができる。
  3. EnMS 運用の現状について、手軽なコミュニケーションと組織内外に展開することを促進し、会社の優秀性を示すことができる。
  4. 各自のワークステーションからEnMS 運用管理を実施することができる。
  5. 「監査員」ページを有効利用することにより、被監査人が監査活動主導し、組織のEnMS 運用について事前に監査員に情報提供しながら監査員との情報交換を通して、高評価の審査結果を引き出すことができる。

参加者リスト:

No. 氏名 会社名
(1) CHU Kar Kit Vector Engineering Design Co., Ltd.
(Energy Environmental Consultant)
(2) Salim Suwignjo Setsco Services Pte Ltd
(Senior Engineer, Construction Technology Division)
(3) Wai Kok Foo, James Urban Redevelopment Authority
(Director Corporate Services)
(4) Yap Kok Kin Earns Technologies (Shenzhen) Co Ltd
(Director)
(5) Ng Koon Siang UGL Services Premas Operations Limited
(Deputy Director, Energy Services, Building Technology & Capital Equipment)
(6) Milton Neo National Environment Agency
(Engineer, Energy Efficiency and Conservation Department)
(7) Tan Yeow Chew PUB
(Senior Manager, Ulu Pandan Water Reclamation Plant, Water Reclamation (Plants) Department)
(8) Chong Chin Teck PUB
(Senior Engineer, Changi Water Reclamation Plant, Water Reclamation (Plants) Department)
(9) Aw Kian Hing PUB
(Deputy General Manager, Kranji Water Reclamation Plant, Water Reclamation (Plants) Department)
(10) Dhimant Hiralal PUB
(Principal Engineer, Jurong Water Reclamation Plant, Water Reclamation (Plants) Department)
(11) Lee Thompson Hertel Singapore Pte Ltd
(Plant Integrity Manager)
(12) Li Xingang Faci Asia Pacific Pte Ltd
(Production Manager)
(13) Kor Lee Kiong Frasers Centrepoint Property Management Services Pte. Ltd.
(Building Manager, Notrthpoint)


ワークショップ内容の詳細について興味ある方は、「ワークショップ報告書」(英文)をダウンロードいただけます。

後記:
ワークショップにおいて、EnMS-Doc 作成 『M333J セット #101, 「全12主要文書」』および『M555J 「EnMS監査OJT」セット(監査スコアカードおよび監査ガイドライン)』が配布され、内容について解説された。 多くの参加者は、配布された ISO 50001 適合型マネジメント文書および監査関連書類とスコアカードツールを所有することにより、組織が必要とする内容が準備されていることから、ISO 50001 適合性がかなり間近にあることを認識し、多くの時間と労力が省かれた安堵感を体験している。すなわち、文書の優秀性と利便性が立証されたことになる。さらに、参加者は、入手した主要文書により組織既存の手順書類や記録文書類などが自動的に ISO 50001 適合文書に格上げされることに EnMS-Doc 作成 ISO 50001 適合型マネジメント文書の強力性を見出している。

ISO 50001 要求事項と対応ドキュメントについて

ISO 50001 の特長は、『P』計画(エネルギー使用状況把握(エネルギーレビュー)に基づいた活動計画の展開);その計画に沿った活動の『D』実施、活動内容の評価、レビュー、見直し『C』チェック、『A』改善行動の実行といった『PDCA』を取り入れた全員参加をベースとした実用的かつ効果的なエネルギーマネジメントを運用するガイドラインです。

従って、要求項目はプラス志向の実用性に富んだ内容になっており、要求項目を反映すれば、確実にサスティナビリティ事業展開を優位に進められることを経営者は認識するはずです。その要求項目を事業運用上有利に展開することを確実にし、確立した体制と運用レベルを確実に維持するには、最低の文書化が必要となります。ISO 50001 の要求項目ごとに中身を吟味すると必ず項目毎に関連する文書の必要性が存在することがわかります。その一覧表「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」を作成しました。 ご興味がある方はぜひダウンロードして見て下さい。
「ISO 50001 要求事項の適合に対応する文書(ドキュメント)」一覧表ダウンロード

一覧表の内容をまとめると、ISO 50001適合するために12の主要管理文書が重要であることが一目瞭然となります。
EnMS-Doc が「M333J セットメニュー #101,『全12主要管理文書』」を提供している背景はそこにあります。
ISO 50001 の最も優れている点は、必要な管理文書を構築すると EnMS 運用に関わる既存ドキュメント類、手順書、日誌、データ類や省エネ法関連文書などが ISO 50001 適合ドキュメントに格上げされるところにあります。



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  • 「wiki50001」エネルギーマネジメント運用・文書化統合システム
  • EnMS 運用「トップマネジメントへのメッセージ」
  • グローバル競争力を強化する ISO 50001 活用「EnMS 調達」解説

"省エネ法「管理標準」と一つになるISO 50001 適合型エネルギーマネジメントシステム手引書(実用編)"
省エネ法とISO 50001をブレンドした「EnMS 管理標準」の構成と概要を紹介するプレゼンテーションです。
魅力あるモニタリングの世界へご案内します。
 
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ご案内します。
 
TEAM Sigma を使ってベストプラクティス メータ・データ分析技法による無駄の洗い出し と エネルギー効率改善。
1か月で組織が ISO 50001 「自己宣言」できる EnMS 運用を築き上げます。
 
ISO 50001 適合型エネルギーレビュー手引書(実用編)および成果物
原単位回帰分析による EnPI:(y=ax+b)
設定方法

連携制御コンセプトの紹介

「wiki50001(日本語版)」エネルギーマネジメント運用・文書化統合システム
EnMS 運用
「トップマネジメントへのメッセージ」

グローバル競争力を強化する ISO 50001 活用「EnMS 調達」解説

 

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EnMS主要「全12文書」を経済的な価格でISO 50001 認証「自己宣言」を手中に...

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英国を代表する EnMS ソリューションソフトウェアに注目しています。


オープンソースによる低価格ペーパレスEnMS管理ツールは便利です。


ISO 関連の勉強をさせていただいています。


中尾優作氏よりリアルタイムな情報をいただいています。


SEAI を通して、サスティナビリティへ進化するアイルランドの積極的な動きを見守っています。


USCEEMが推進しているSEPプログラムの動向を注意深く追っています。


CEMが導入したGSEPの動向に注意を払っています。


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